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クエリ検索: "キーパーソン21"
1件中 1-1の結果を表示しています
  • -キーパーソンの関わりに着目して-
    *西田 憲司, 片岡 紳一郎, 北村 哲郎
    近畿理学療法学術大会
    2010年 2010 巻 113
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/15
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】 介護保険が2000年4月に施行され、在宅を基盤とした訪問リハビリテーション(以下訪問リハ)サービスの充実が求められており、当院においても訪問リハを2009年11月から実施している。 在宅では、家族(以下キーパーソン)の期待や関わり方が、利用者の日常生活動作(以下ADL)や生活の質に大きく影響すると思われる。キーパーソンがどのように訪問リハに期待し、利用者にどのように関わっているのかを知ることによって、理学療法プログラムの工夫や訪問リハサービスの向上につながるのではないかと考えられた。しかし、どのような期待があるのか実際にどれほど関わっているのかは明らかでない。 調査報告からは、訪問リハにおけるADLの向上に対する報告や訪問リハの運営方法についての報告は数多く見られるが、訪問リハへの期待やキーパーソンの関わりに関する報告は見られない。そこで、訪問リハへの期待とキーパーソンの関わりについて現状を把握し、当院での今後の訪問リハサービス向上のために意識調査を行い、若干の知見を得たので考察を交えて報告する。 【方法】 2009年11月から2010年5月までの期間に当院の訪問リハを利用した利用者と同居のキーパーソン22組(計44名)を対象に質問紙を用いて調査を行った。質問紙は密封し、返信用封筒とともに利用者・キーパーソンに対して配布し、郵送にて回収した。 調査項目として、期待度に関しては4段階(1.期待できた2.やや期待できた3.あまり期待できなかった4.期待できなかった)で作成し、何に期待できたかについては6件法(1.関節を動きやすくする2.体の力をつける3.動作を改善する4.現状を維持する5.まかせている6.その他)で作成した。キーパーソンの利用者への関わりについては4段階(1.関わった2.やや関わった3.あまり関わっていない4.関わっていない)で回答していただいた。関わりについては、理学療法士の指導内容をキーパーソンが利用者に対して促した場合、もしくは実施した場合とした。また、各設問に自由記載欄を設け詳細がわかるよう調査を行った。 【説明と同意】 対象者には、調査の主旨を十分に説明した後、署名により参加・同意を得た。なお、認知症と判断できる方に関しては調査対象から除外した。 【結果】 調査用紙を配布した22名ずつの利用者・キーパーソンのうち、利用者18名(男性7名、女性11名、平均年齢79.4±7.5歳)、
    キーパーソン
    21
    名(男性5名、女性16名、平均年齢60.6±11.9歳)から回答が得られた。回収率は利用者81%、キーパーソン94.5%であった。キーパーソンの利用者に対する続柄は、配偶者8名、娘8名、息子3名、息子の妻2名であった。 1.訪問リハへの期待度 利用者で100%、キーパーソンで95.2%が期待できたとの回答であり、「何に期待できたか」という設問では、キーパーソンで「動作を改善する」が33.3%と動作改善を期待するという回答が多かった。 2.自宅での利用者との関わりについて 「キーパーソンが関わる必要があるか」の設問に利用者で78.2%、キーパーソンで95.2%がキーパーソンの関わりが必要であるという回答であった。また、実際に「キーパーソンが関わったか」という設問では、利用者で44.8%、キーパーソンで52.7%が関わったという回答であった。 【考察】 訪問リハに対する期待度は、利用者に加えキーパーソンにおいても期待が高く見られた。内容としては、動作を改善するといったADLの向上に対する回答が多く、ADLの向上に対する期待が高いことが考えられるが、様々な視点からより具体的な内容を把握する必要があり今後の検討課題であると考えられた。 次に、関わりについては利用者・キーパーソン共にキーパーソンの関わりが必要であるとの回答が多かった。しかし、実際にキーパーソンが関わったという回答は利用者で44.8%、キーパーソンで52.7%であり、半数は関われていないという結果であった。この点に関しては、キーパーソンから「本人が痛がらなければ」、「思うようにいかない」、「仕事や用事で時間がない」などといった内容の記載が見られた。また、訪問看護での報告では、介護者のストレスや介護負担感についての報告もされている。よって、関わりについてはキーパーソンが実際に関わりにくい現状に加え、キーパーソンの精神的ストレスや、リハビリテーションに対する意識も影響していると考えられる。 今後は、キーパーソンの環境や心理的側面を把握しキーパーソンの関わり方を検討していく必要がある。 【理学療法研究としての意義】 訪問リハに対するキーパーソンの期待度や関わりについて調査することで、利用者個人だけでなくキーパーソンの意識を捉えた中での訪問リハビリテーションサービスを提供していくことに役立てる。
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