都市部の生物多様性の向上のためには,都市部に残る緑地の保全とともに,数少ないオープンスペースの緑化や屋上緑化,壁面緑化などによって新たに緑地を整備していくことが必要である。本研究では,都市部の緑地を新たに整備することで生物多様性がどの程度向上するか明らかにすることを目的として,生物多様性の指標種である鳥類の出現を調査した。対象地は東京都港区に位置する麻布台ヒルズ,虎ノ門ヒルズとし,鳥類の越冬期に調査を行った。その結果,都市環境を積極的に利用する種や都市環境にも適応可能な種以外に都市を忌避する種も確認され,麻布台ヒルズや虎ノ門ヒルズの緑地が都市の生物多様性を高めていることが明らかとなった。
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