本研究は,自転車シェアリングシステム(BSS)のステーションレイアウトの違いによる特性を明らかにするとともに,ステーション整備に際しての課題を明らかにすることを目的とした.ステーションレイアウトは,路上型,路外型,レス型に分類でき,路上型はBSS利用者の利便性や歩行者の安全性が保たれるが道路空間の再配分を要し,路外型は道路空間を保持したままBSSを導入できるがBSS利用者の利便性や歩行者の安全性には課題があり,レス型はBSSに便益が集中するが道路空間の保持が難しいなど,ステーションレイアウトにはそれぞれに功罪があることが明らかとなった.いずれかのレイアウトが最も優れているという訳ではなく,また最も劣るレイアウトというものもないが,背景の異なる国や都市に合わせその場所の特性に適応させていくことが望まれる.
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