本研究は、第4回北京林業大学国際ガーデンフェスティバル(成都)において受賞した竹構造作品「Interstellar」を分析するものである。本作品はワームホールを着想源とした竹構造であり、没入型の空間体験を提供すると同時に、公共空間における社会実験として機能した。専門家からは独創性が高く評価され、市民からは美的・娯楽的・情緒的価値が認識された。また、デジタル媒体を通じた拡散によって、その影響は展示会場を超えて広がった。さらに、中国と日本の比較検討を通じて、人口減少と高齢化の下での竹資源活用に関して以下の三点の知見が得られた。第一に、世代間参加は公共空間の社会的・経済的潜在力を高める。第二に、「放置竹林」を「公共資産」へと転換することは、生態的およびガバナンス上の利益をもたらす。第三に、文化的象徴性とデジタルメディアを接続することにより、一時的なインスタレーションが持続的な影響を獲得することが可能となる。
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