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  • 葭原 明弘, 金子 昇, 杉本 智子, 清田 義和, 佐藤 徹, 宮崎 秀夫
    口腔衛生学会雑誌
    2010年 60 巻 1 号 11-16
    発行日: 2010/01/30
    公開日: 2018/03/30
    ジャーナル フリー
    市町村では,成人歯科健診が成人歯科保健事業の中心となっている.しかし,多くの場合,対象住民に受診を義務づけることはないため受診率は低く,歯周病リスクが高い者,口腔保健行動に改善を要する者等,歯科健診サービスの必要性が高い住民に利用されにくいなどが課題として挙がっている.本調査は,若い世代の成人歯科保健対策の推進を図るため,乳幼児健診に併設し実施する指導を中心とした成人歯科保健事業の効果を検討することを目的としている.新潟県S市で実施されている,1歳児健診および2歳6か月健診の受診者の母親73人を対象とした.このうち,1歳児健診を受診した母親44人を従来健診実施群(平均年齢:30.2±5.2),2歳6か月児健診を受診した母親29人を個別指導実施群(平均年齢:32.7±5.1)とした.健診受診者の本調査への参加同意率は96.1%であった.個別指導実施群に対しては,歯科衛生士により刺激唾液による唾液潜血試験,ガムによる咀嚼能力試験,および個別指導を行った.その際の指導のポイントは,(1)歯間ブラシ,デンタルフロスの使用意義と具体的な使用方法,(2)歯科医院への定期受診の推奨であった.補助用具として顎模型,パンフレット,デンタルフロスを用いた.一方,従来健診実施群に対しては,乳幼児健診後,母親に対し探針とミラーを使用した,歯科医師が従事する視診型の歯科健診を実施した.その後,歯科衛生士より歯科健診の結果を伝達するとともに,ブラッシング指導を行った.3ヵ月後の状況をベースライン時と比較すると,歯間ブラシまたはデンタルフロスを補助用具として使用している割合は,従来健診実施群では34.1%から47.7%に増加した.一方,個別指導実施群では,41.4%から62.1%に増加し,その差は両群とも統計学的に有意(P<0.001)であった.増加率は,従来健診実施群の13.6ポイントに対し,個別指導実施群では20.7ポイントであった.このことは,乳幼児歯科健診に併設した成人歯科健診では視診型の歯科健診を実施しなくても,明確なメッセージを含む個別指導を実施することで行動変容が期待できることを示している.
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