幼児後期の患児に対するサイコロジカルプリパレーションにおいて,看護師の慣れによる効率の違いを補うため,PCで使用するプリパレーション・ツールの研究開発を行った.看護師と感性デザインの観点から要素を検討し,コンテンツを3DCGで再現した.同様に絵本を制作しPCツールとの比較を行った.実験は手術を間近に控えた3〜6歳の患児10名を対象に保護者同伴の上,看護師が実施した.患児の動きを定量的に捉えるため.実驗には動作解析システムを使用した.実施後に患児の理解度・不安度・興味度の計測を行った.実験の結果,患児が興味を感じると看護師の方を向き,寂しさや恐怖を感じると保護者の方を向くという感情によるパターンが見られた.絵本との比較ではPCツールでの理解度がより高い値となり,不安度は下がった.しかし興味度に差はなかった.患児は集中しており,より内容を理解し心の準備ができたのはPCツールであった.患児にとって手術や処置の説明を行う際,絵本に比べより有効的なツールであることの検証を得ることができた.本研究はH17年度科学研究費補助金基盤(B)の「入院患児に対するプレパレーション・システムの構築とその効果」の研究の一部である.
抄録全体を表示