従来のストリッピング法は,手術侵襲が大きいが根治性が高く,静脈結紫術併用硬化療法に比べて再発が少ない.内翻式ストリッピング法では弾丸型ヘッド(抜去頭)を用いて抜去しないため,静脈周囲の組織損傷が少ない.選択的ストリッピング法では抜去範囲の縮小により,手術侵襲の軽減となる.この両者を併用した内翻式による選択的ストリッピングは根治性が確保され,比較的低侵襲であることから短期滞在手術に適した術式として最近注目されつつある.特に著者らの考案した内翻用ストリッパーは内翻式をより簡便に行えるもので,内翻が容易で,途中で静脈が断裂しても,逆方向からの内翻抜去が迅速に行える.さらに両方向からの内翻抜去に失敗しても, Babcock法に変更可能で,直ちに遺残静脈の回収が可能であるなどの利点を有する.
ミダゾラムと塩酸ペチジンによるNLA変法とエピネフリン添加メピバカインによる局所麻酔との併用はその簡便性,安全性から短期滞在手術に最適の麻酔法である.さらにエピネフリン訴加0.3%キシロカイン溶液を伏在静脈周囲に大量に浸潤させるTumescent Local Anesthesia(TLA)法を補助的に用いることにより,術中および術後長時間の鎖痛作用が得られ,より効果的な麻酔法となる.
また,出血対策としても,TLA法は啄加工ピネフリンの血管収縮作用により止血効果を有するが,さらに静脈抜去後皮下トンネル内に4℃に冷却したエピネフリン添加生罪的食塩水を加圧注入することにより相乗的な止血効果が得られる.
著者らの新しい内翻式ストリッピング手術は,その麻酔法,疼痛,出血対策とともに,短期滞在手術に広く応用されるべきと考える.
抄録全体を表示