本研究の目的は,次世代ものづくり教育カリキュラムの構想へ向けて,次の二つの問いに答えることにある。第1は,世界最大級の日用雑貨市場:中国・義烏(イーウー,浙江省)での急激な多量生産に対して学校のものづくり教育はどう対応しているのか。第2は,それを踏まえれば,次世代ものづくり教育カリキュラムの基盤には何を据えればいいのか。 2013 (平成25)年9月,その解明のために中国・義烏塘李小学校を訪問した。その結果,第1の問いに対しては「中国の伝統的なものづくりを教育の規範とした対応」を答えとした。中国の伝統的なものづくりとは一枚の紙から様々な形をつくり出す「剪紙(せんし)/切紙」を指す。第2の問いの答えはものづくりの「責任」とした。
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