当研究ではユーザとエージェントの協調問題解決場面において, ユーザの協調への積極性誘発を目指す. 積極性誘発にはインラクションの方法の理解と, 協調により得られる利益への信頼が重要であり, この二つのリソースが満たされている関係を社会的関係と定義する. そしてエージェントが社会感情的インタラクションを働きかけることで二つのリソースが獲得され, 社会的関係が構築できると仮定する. 提案手法として, 循環的意図更新モデルにより社会感情的行動を生成することを考える. ここで提案モデルではエージェントは社会感情的意図の階層的ネットワークを持ち, ユーザは同じモデルを持っていると仮定する. そして推定したユーザの意図モデルを基にエージェントの意図モデルを更新し, それに応じて社会感情的行動が生成される. これによりエージェントの行動がユーザに合わせて発展するため, ユーザはエージェントとの関係性に関する利益を見出すことができ, 社会的関係が強まると考えられる. 提案モデルの評価のため, ユーザとエージェントが協力して
タワーディフェンス
を行うという実験を行い, 社会感情的行動のユーザの積極性に対する一定の効果を確認した.
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