アウトリーチ活動を“地域環境課題を解決に導くひとつのきっかけ”と位置づけ,本報では著者らが1998年から13カ年にわたって継続しているアウトリーチ活動(小学校4年生を対象とした活動)について取り上げた。その結果,1) 地域環境の認知効果,2) 郷土愛の形成効果,3) 地域社会の連帯効果が整理できた。このことから農業用水を管理する者にとって,大学によるアウトリーチ活動を足がかりにして,土地改良区・農地水組織・行政組織などが連携関係を構築することができ,ひとつの“きっかけ”であると評価された。今後のアウトリーチ活動としては,社会課題にどう役立つかという視点を取り入れた“課題解決型アウトリーチ活動”といった役割も加わっていくものと思われる。
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