本研究は,東北地方の大都市と地方都市における民間リサイクル業者の資源ごみ回収ステーションを事例に,利用者の会員情報を用いて,住民のステーションの利用状況とリサイクル協力行動の特徴を定量的に比較・分析し,廃棄物行政の負担軽減と住民の資源ごみ排出の利便性向上や回収量増加の観点から,その有効性と活用方法を検討した。
その結果,資源ごみ回収ステーションの利用者は 40~60 代に集中し,高齢者の利用も多く,自動車保有率の高い地方都市での資源回収効率が高いと示された。また,資源ごみ回収ステーションは,自治体の回収頻度の低い古紙類,金属製品,小型家電の回収効率が良い。さらに,資源ごみの投入実績に応じたポイントの付与が,リサイクル協力行動を促進していると考えられる。以上から,資源ごみ回収ステーションは資源ごみの分別・排出の利便性を高め,自治体の収集運搬コストの低減だけでなく,環境意識の改善も期待できることが示唆された。
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