原自生地を異にする約50種類の球根植物及び栽培品種の耐凍性を調べ, 次の結果を得た.
1. 南アフリカを原自生地とする球根は-5°Cの凍結にも耐えなかりた.
2. 北半球に自生する球根では, 種類や品種によって耐凍度は著しく異なり, -5°Cから-23°Cの範囲に及んだ. 一般に冬の寒さの厳しいところまで分布するものほど耐凍性が高い傾向が認められた. 耐凍性が高かった球根はクロユリ, エゾスカシュリ, アリュウム•オレエオファイラムであった.
3. 球根類の耐凍性は組織によって著しく異なり, ことにりん茎類ではその基盤が最も低く, 花芽, 根の耐凍性がこれに次ぎ, りん片や茎葉, 側芽はこれらより高かった.
4. 強度の乾燥に耐えるアネモネ, ラナンキュラス,スピロキシネは充分に吸水した状態では-5°Cの凍結にも耐えなかった.
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