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クエリ検索: "テナガカミキリ"
3件中 1-3の結果を表示しています
  • 松村 健太郎
    日本生態学会誌
    2022年 72 巻 2 号 179-
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/10/22
    ジャーナル オープンアクセス
    移動は雄の繁殖に多大な影響を与える。移動活性の高い雄は多くの雌と遭遇することが可能であるため、交尾成功度が増加すると予想される。その一方で、移動活性の低い雄は雌との遭遇頻度が低い分、交尾後の受精成功度の増加のための投資量が多いと予想される。昆虫において、脚は移動のみならず、交尾の際にも使用される重要な付属肢としての役割も持ち、様々な種で脚の形態に性的二型が見られる。雄の脚において、移動に有利な形態は、交尾時の雌の把握では不利になる可能性もあり、雄の脚は様々な選択圧のバランスによって形作られていることが推測される。受精成功度への投資量が多い移動活性が低い雄は、移動活性の高い雄とは異なる形態の脚を持つことが予想される。本研究では、コクヌストモドキTribolium castaneum Herbstを対象として、歩行活性に対する人為選抜への繁殖形質や脚の形態の反応について調査を行った。その結果、移動活性の低い方向へ選抜された系統の雄は、移動活性の高い系統の雄よりも脚が有意に長いことが明らかとなった。長い脚を持つ雄は、交尾時の雌からの抵抗に耐えることを可能とし、交尾時間の延長による受精成功度の増加において有利であることが示唆された。筆者らによる研究の結果から、脚の性的サイズ二型の進化やその度合いに種間変異が見られる現象についても議論したい。
  • 小汐 千春
    やどりが
    1997年 1997 巻 173 号 4-12
    発行日: 1997/12/15
    公開日: 2017/08/19
    ジャーナル フリー
  • 小島 渉
    日本生態学会誌
    2022年 72 巻 2 号 147-
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/10/22
    ジャーナル オープンアクセス
    コガネムシ上科には、オスが角や発達した大顎などの武器形質を頭部に持つ種が多く存在する。それらの中には長い前脚を持つ種が多く含まれる。このことから、頭部の武器と前脚は機能的に関連していることが推測されるが、二つの形質の機能に同時に着目した研究は少ない。本稿では、オスが1対の角と長い前脚という二つの誇張化形質を持つワリックツノハナムグリにおいて、オス間闘争におけるこれらの形質の機能について解説する。本種はタケの仲間の新芽に集まり、吸汁、配偶を行う。オスは交尾後にメスにマウントし、配偶者防衛を行うが、餌場での性比がオスに偏っており、防衛オスと単独オスとの間で頻繁に闘争が起こる。闘争行動を分析した結果、前脚は闘争の初期における儀式的行動で、角は闘争がエスカレートしたときの直接的な闘争でおもに使われることがわかった。また、大きな武器(あるいは大きな体)を持つオスほど、配偶者防衛、あるいは配偶者の乗っ取りに成功しやすかった。形態のアロメトリーの解析結果からも、角と前脚が性淘汰の産物であるという仮説が支持された。さらに、長い前脚が枝の上を歩く際に歩行速度を低下させるかを調べたが、体に対する前脚の長さと歩行速度の間に関係は見られなかった。相対的な前脚の長さは、相対的な中脚や後脚の長さと正の相関を示したことから、長い前脚を持つ個体は同時に長い中脚や後脚を持つことで、歩行の安定性を維持している可能性がある。
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