Sultamicillin(SBTPC)細粒を瞼板腺炎10症例に経口投与して, 臨床効果と安全性にっき検討した。1回375mg(力価)を1日3回, 食後に内服させて, 有効7例, やや有効2例, 無効1例の結果が得られ, 有効率70.0%であつた。副作用は1例にも認められなかつた。検出菌は
Staphylococcus aureus,
Staphylococcus epidermidis, Coagulase(-)
Staphylococcus, Streptococcus sanguisのグラム陽性球菌, 及び
Alcaligenes denitrificans subsp.
denitrificans,
Alcaligenes denitrifzcans subsp.
xylosoxidans, Xanthomonas maltophilia, Acinetobacter lwoffiiなどグラム陰性桿菌であつた。細菌学的検査では, SBTPCのMICはいずれもAmpicillin(ABPC)のMICより低値を示して, より強い抗菌力を現した。臨床効果にもこのことが反映されて, ABPC, Cefaclorに中等度, 高度耐性菌の症例に有効に作用した。
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