ニュージーランドの植民都市は, 建設にあたってまず公園を計画的に配置する公園用地を担保した。特にニュージーランドカンパニーが建設, あるいは指導して建設した都市は公園緑地帯 (タウンベルト) で都市を囲むという独特な都市計画手法によって, 組織的, 系統的に公園の配置計画を行った。これは, オルムステッドによるアメリカの公園緑地系統に先駆けて成立したことになる。また, これらの公園は整備の発展過程で, 公園配置の規範的なモデルとして, 樹林地, セントラルパーク (公園緑地系統の核となる公園), 植物園, 歩道のネットワーク, 眺望道路スポーツ施設を一体的に配置することを確立した。また, 公園緑地は公共のレクリエーションの場のみならず, 植民地化を促進させる新しい国土順応化のための空間としても機能した。更に公園への市民の貢献及び市民参加による公園整備手法を既に1800年代に先駆的に創出した意義は大きい。
このようにニュージーランドの公園緑地の成立には以上のような特質が見出される。
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