本論文では,施工条件を考慮したD51鉄筋のK形フレア溶接への適用性の検討を行った。最初に,異なる溶接姿勢等での試験を実施し,実施工で想定される斜め下向き姿勢は,横向き姿勢よりのど厚等の寸法のばらつきが大きくなることを確認した。次に,技術基準類を参考に単調引張試験と高応力繰返し引張試験を実施し,判定基準を満足する溶接長を明らかにした。さらに,溶接姿勢によるのど厚の差異を考慮したD51鉄筋の必要定着長の算定式を提案し,D51鉄筋のK形フレア溶接の必要定着長は,斜め下向き姿勢であっても,5φで安全側に評価できることを示した。加えて,鋼板と鉄筋および溶接金属の図心位置のずれに起因して発生する,偏心曲げモーメントの影響を踏まえた鋼板の必要板厚の算定方法を提案した。
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