製紙業界に於いては古紙の利用率増加と共にもたらされた最大の課題が正に品質の安定である。品質の安定にはいくつかのファクターが有るが, その中でも旧来より取り組まれてきた手法の一つが所謂カンバス洗浄と云う発想である。
古くは多量の清水を使用したシャワー式洗浄から始まり全面洗浄を標榜するトラバース式洗浄, 環境ホルモンの問題が発覚し今日ではイメージ的に殆ど使用出来ない状態に有る薬品洗浄, ブラシロール洗浄から高圧水洗浄に至るまで多岐に亘る。しかしながら今日に於いても完成度の上で今一歩であった事は否定できない。
今回紹介するプロジェット社は「カンバスの汚れは蓄積されてから問題を起こす」「高機能・多機能をいくら標榜していても現場が使いやすい物でなければならない」「中途半端な理論の洗浄はかえってたちの悪い洗浄ムラを起こす」「どんなに高価なクリーナーを準備してもカンバス自身の交換は避けられない」等を重要要件と定め1997年より開発を開始した。
今回, 旧来の洗浄システムの問題点を再考し, 旧来とは違ったプロジェット社の洗浄システムの紹介をする。
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