本論の目的は国際バカロレアディプロマプログラム(IBDP)の美術科について,1評価の特徴について文献調査,現場調査等から明らかにする,2イギリスGCE-AレベルのArt,CraftandDesignの評価目的の内容と比較し互いの特徴を明らかにする,ことで現在行われている高大接続改革に関連しIBDPの有効性を探る。IBDP美術科の評価課題は2つの外部評価と1つの内部評価であり,いずれも普段の学習内容がそのまま評価の対象となる。一方GCE-Aレベルは設定された2つの課題のうちの1つは統一問題であり,IBに比べより試験としての性格が強いことがわかった。双方共に高等学校における学習を大学入学資格に活用しているが,さらにIBは美術科を含めた教科を大学入試にいかしており,高大の学習のつながりや広範囲にわたる学力の育成という面で日本の教育にも有効であることを確認した。
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