ゼータ関数ζ(s)=∑_(n=1)^∞▒(1/n^s )においてs=2のときの値,すなわち∑_(n=1)^∞▒(1/n^2 )の値を求める問題をとくに
バーゼル問題
という。つまり,1+1/2^2+1/3^2+1/4^2+…の値を求める問題である。これはごく簡単そうに見えるがきわめて難解なため,過去多くの数学者の心をとらえてきた。ライプニッツをはじめ,著名な数学者らがこの問題に取り組んだが,いずれも徒労に帰している。最終的にオイラーによって解決をみた,いう経緯がある。これは純粋数学の面から解かれた問題ではあるが,はなはだ興味深いことに電気工学の分野にこの
バーゼル問題
が姿を見せるのである。交流を扱うある種の電気回路計算の中にそれが登場する。この計算を進めることでオイラーの解法とは別の方法で
バーゼル問題
を解くことができる。
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