近年,BIMによる設計図書を要求する機会が増えており,設計事務所,ゼネコン,サブコン等において,BIM導入の検討が進んでいる。また,この背景の下,多くの企業がBIMソフトウェアの技術開発に注力する。ダクト配管や機器の収まり検討等,BIMの持つ3次元CAD機能やデータ標準IFCを用いたデータの統合による空調設備設計の効率化は言うまでもなく,BIMの持つデータベースとしての機能は,空調設備設計におけるシミュレーション技術の利用を簡易化する。今後,BIMの研究開発を進めるにあたり,利用者となる空調設備設計技術者が抱く期待を知る必要がある。そこで,空調設備設計技術者を対象としたアンケート調査を行い,BIM導入に対する回答者の期待を分析した。結果,回答者はBIMに対して3次元CADとしての認識が強いものの,その導入に対し,業務の効率化のみでなくシミュレーションの適用による設計の高度化を期待していること等,調査結果を得た。
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