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クエリ検索: "ヒタチヤ"
4件中 1-4の結果を表示しています
  • 古田 正康
    燃料協会誌
    1932年 11 巻 10 号 1410-1422
    発行日: 1932年
    公開日: 2013/05/16
    ジャーナル フリー
  • 青木 繁, 中條 道夫
    林學會雑誌
    1930年 12 巻 3 号 171-180
    発行日: 1930/03/10
    公開日: 2009/02/13
    ジャーナル フリー
  • 大橋広好
    植物研究雑誌
    2000年 75 巻 1 号 1-41
    発行日: 2000/02/20
    公開日: 2022/10/21
    ジャーナル フリー

    日本産ヤナギ属,ケショウヤナギ属およびオオバヤナギ属の分類と学名および分類体系を再検討した.本研究では,これら3属をヤナギ属にまとめた.日本産種としておよそ40種が知られていたが,31種4亜種3変種16品種に整理した.この中にはシダレヤナギ,ウンリュウヤナギ,コリヤナギなど3種2品種の外来種が含まれているので,日本の在来種は28種4亜種3変種14品種となった(栽培品種1変種1品種を含む).これらの日本産種を新たに1属4亜属17節に分類した.各分類群について,正名,シノニム,それらの文献をあげ,種以下には分布域を加えた.学名の多くについてはタイプを併記した.なお,各分類群の区別,記載などは Iwatsuki et al. (eds.): Flora of Japan の Salicaceae に記述したので,ここに省略した.また,ヤナギ科と主な種については朝日百科・植物の世界6: 226-523 (1995) に解説した.雑種については,37雑種を認め,各学名について出典,タイプ,文献を整理し,推定両親種の雑種式 hybrid formula を示した.

    ヤナギ属の分類体系は Andersson(1868)の体系以外には世界の全種類を基礎として設立されたものがなく,その後の研究は全て地域的な種類に基づく体系である.しかし,旧ソ連のヤナギ属をまとめた Skvortsov(1968a, 1968b)と北アメリカの Argus(1988, 1997)の研究が今日のヤナギ属分類体系の基礎となっている.本論文では基本的にこれらの体系と一致するように日本の種類の分類体系をまとめたが,冬芽鱗片のへりが離生している群は独立群と考え,トカチヤナギ亜属 subgen. Urbanianae (Seemen) H.Ohashi とした.

    今回の研究によって使い慣れた学名を変更したものもあるので,本文中に学名と和名の対照リストを示した.例えば,ケショウヤナギ,オオバヤナギは属の変更に伴う変更,タチヤナギ,オノエヤナギ,キヌヤナギ(エゾノキヌヤナギを含む),バッコヤナギ(マルバノバッコヤナギを含む)などは種を大きく範囲づけたための変更,カワヤナギはエゾノカワヤナギの亜種としたための変更などである.また,ミネヤナギの著者は Frachet & Savatier ではなく,Seemen であるとした.

    日本産ヤナギ属,ケショウヤナギ属,オオバヤナギ属は大井(1953,1965a,1965b),北村・村田(1979),木村(1989),あるいは大井・北川(1992)によって,詳しく記述されている.しかし,これらの著作は日本フロラの一部としてこれらの属をまとめたものであり,属,種の同定を目的としているため,検索表,記載,分布などの記述が主であり,属内分類群,個々の分類群の学名の出典と研究論文,タイプ標本などについての研究結果は省略されている.

    分類学の研究の中でも分類群の研究はこれまでに行われた研究の結果を基礎として新しい成果を付け加えてゆくことが特に必要である.分類学では学名を基準としてその分類群についてこれまで何が研究されてきたのかを一覧で示すことのできる発表の形式も確立されている.学名は「その群を引用することの手段を与えること」(国際植物命名規約前文)が基本的な機能の一つである.ある分類群について,その「学名+出典(+タイプ標本)+文献引用; +シノニム」という形の表示方法は古くから続いている分類学に特有のものである.この形式によって,積み重ねてきた成果を含む文献を学名の下に引用し,その分類群についての情報を整理して,過去の研究とのつながりを明らかにしてきた.引用文献の取捨選択によってその研究者の当該分類群にたいする見解を同時に示すこともできる.

    このような,いわゆる「集覧」Systematic Enumeration は分類群の研究にとって最も基本的な研究成果であるといえよう.日本産種子植物に関しては,そのおよそ半分の科について,含まれる属,種,種内分類群の全てを扱った原寛:日本種子植物集覧 1-3 があり,今日でも非常に有用である.シダ植物では田川基二:Index Pteridophytorum Japonicarum(原色日本羊歯植物図鑑)と中池敏之: Enumeratio Pteridophytorum Japonicarum, Filicales がある.

    日本のヤナギ科は原先生の集覧に含まれておらず,それに代わるものもない.ヤナギ属の研究を始めるにあたって,Seemen (1903): Salices Japonicae から後の学名と過去の研究を整理することがまず必要であった.日本のヤナギ属は木村有香先生が最近まで長い間研究を続けておられ,その成果を主として東北(帝国)大学理科報告と本誌に発表してこられた.このため,ヤナギ属(広義)の学名や論文などを探し出し易かった.また,日本産ヤナギ属の多くのタイプ標本が東北大学大学院理学研究科生物学教室植物標本館木村ヤナギ科標本室(TUS-K)にあるので,学名と実物の対応も容易に検討できた.しかし,本研究では Andersson, Blume, Miquel, Seemen, Franchet & Savatier, Schneider などの学名のタイプについては一部を検討したに過ぎない.Leiden と Kew でも,Blume, Miquel のタイプは見つからないものが多い.

    属内分類群と各学名のタイプ標本を加えたことは異なっているが,本論文は原先生の日本種子植物集覧を補充するつもりで用意したので,和文の表題をヤナギ属植物集覧とした.不十分の点が多いが,今後改訂してより完全なものにしていきたいと考えている.

  • 植物研究雑誌
    2000年 75 巻 6 号 論文ID: 75_6_9475
    発行日: 2000/12/20
    公開日: 2022/10/21
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