交通環境負荷の軽減、道路交通の円滑化、移動のバリアフリー化、公共交通ネットワークの充実により都市の再生をめざした次世代型路面電車(LRT)の導入が注目される中、実際の運行環境面では路面電車と自動車交通との錯綜の削減・緩和がとくに重要である。本研究では、路面電車走行の安全性、定時性と円滑性を阻害する主要因となる路面電車軌道を跨ぐ右折車の停止位置と路面電車の危険回避行動との関係性に着目し、福井市市街部の信号交差点を対象としたビデオ定点観測にもとづく分析をおこなった。その結果、路面電車が危険回避のために減速または停車する時の右折車の停止位置、つまり軌道から右折車までの距離を特定するとともに、路面電車および右折車の車種、時間帯、右折車滞留台数の違いによる危険回避行動の発生頻度の違いを明らかにした。
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