牛の子宮内環境を探索するための一つの指標として,アミノ酸について分析,検討を行った。
アミノ酸分析の前段階として,子宮頸管粘液中のNa,Kから子宮液中のNa+K値を推定し,Na,Kを含まない緩衝液を洗浄液として利用することによって子宮液を定量的に希釈回収することができた。得られた試料を除蛋白,脱塩,精製,濃縮した後に自動アミノ酸分析計で分析した。牛の子宮液中にはリジン,ヒスチジソ,アルギニン,アスパラギン酸,スレオニン,セリン,グルタミン酸,プロリン,グリシン,アラニン,シスチソ,軸バリソ,メチオニン,イソロイシン,ロイシン,チロシン,フェニルアラニンの外にタウリン,一部にサルコシンと思われるピークが認められ,さらにフォスフォセリン,フォス
フォエ
タノールアミソ,シトルリソ,α-アミノ酪酸が検出された。黄体期には全般的に子宮液中アミノ酸濃度は高かったが,特にグルタミン酸,グリシソ,アラニソが著しく高濃度であった。発情期にはアミノ酸濃度は低下したが一•部アミノ酸は血漿よりも有意に高かった。また黄体期にエストロジェン処理することによって,アミノ酸濃度は大きく低下した。発情周期中の子宮頸管粘液のアミノ酸についても子宮液と類似の傾向がみられたが,発情期には著しく低濃度であった。
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