健康経営とは、アメリカから持ち込まれ2010年から日本で始まった新しい経営戦略である。現在日本で取り組んでいる企業の数は、歴史も短く少ない。また海外の取り組み事例や成果、検証はあるが、日本では成果や効果の検証には至っていない。本Reviewは、健康経営の顕彰制度が日本で始まった2015年秋から計画された大学生の健康経営企業訪問プロジェクトと、それに伴う研究、主に健康経営の効果について検証し発表した論文をまとめたものである。
このような大学横断的なプロジェクトは他に例がなく、経済産業省の他健康経営に取り組んでいる多くの企業の協力も得て進めてきた。結果として経済産業省含め4年で訪問先は計32企業、参加大学生は延べ57人となった。また健康経営と名がつく論文を4本発表し、共著も1本も出版している。2020年は新型コロナウィルスの影響によりプロジェクトが中止となったが、2021年以降はオンライン等で引き続き開催する計画である。多くの大学や大学生を巻き込み、健康経営の効果を検証することにより、日本政府が掲げる健康寿命の延伸や、新しい日本初のマネジメントシステムとして健康経営の国際展開に貢献できるよう努めていく。
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