昭和57年以来4回 (その1対称論・その2尺度論・その3幾何図形論およびその4聖山論) にわたって、主に日本の王城・王墓・神社・仏閣・教会など古代からの聖地に建設されたと考えられる宗教・政治施設の位置関係を解析し、古代日本における高度測地技術の存在を推定するとともに、それらの位置決定原理の根本に神にもっとも近い聖なる山頂を対象とする聖山思想があることを示し、それが遠くエジプトに発することを推定した。
今回は、昨年に続いて聖山論的実施例をエジプト・エーゲ海沿岸・北イタリアなどの地中海沿岸地域およびシンガポール・中国・朝鮮・日本などの東アジア地域について追加して提示し、聖山思想伝播の地域的拡がりと時期を推定するとともに、政治都市の起源について考察する。
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