本研究は,観光事業への投資が積極化する中でその投資効果の評価や新たな施策立案のために従来型の来訪客状況調査だけでなく,GPS携帯電話による位置情報の蓄積データがどの程度,全国的に適用可能な観光実態把握のための基礎情報になり得るかの代替可能性を検討するために実施したものである.具体的には,全国に分布する70~80万人分の1年間のGPS携帯電話の位置情報を基に石川県域および石川県加賀市域への観光客の来訪頻度,滞在時間,周遊行動の実態分析を行い,これまでの調査ではなかなか把握しにくかった日帰り観光の実態,周遊観光の概観が把握できた.既存観光統計との比較では宿泊旅行統計調査等との比較を行い,今後より他の調査データとの整合を図っていくことによりある程度利用できるものであると考えている.
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