メジロザメ
目魚類, ヨシキリザメ
Prionace glaucaとアカシュモクザメ
Sphyrna lewiniの核型を簡易組織培養法を用いて観察し,
メジロザメ
Carcharhinus plumbeus, ドタブ
カC. obscurus, ガラパゴスザメ
C. galapagensisおよびヨシキリザメ
P. glaucaの核内DNA量を顕微分光濃度計を用いて測定した.ヨシキリザメの核型は染色体数2n=86, 中部・次中部着糸型染色体 (M-SM) =30, 次端部・端部着糸型染色体 (ST-A) =56, 腕数 (FN) =116であり, 核内DNA量は8.6pg/cellであった.アカシュモクザメの核型は2n=86, M-SM=20, ST-A=66, FN=106であった.
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, ドタブカ, ガラパゴスザメの核内DNA量はそれぞれ, 6.0pg/cell, 6.0pg/cell, 8.5pg/cellであった.これらの結果を, 他の
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目魚類の核型および核内DNA量と比較した結果, シュモクザメ類の核型や核内DNA量の特徴は
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科魚類と同じであり, 他科魚類とは明確に異なった.また,
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科魚類とシュモクザメ類では染色体のサイズとその範囲が比較的小さい.従って, これらの中・小型の中部・次中部着糸型および次端部着糸型染色体は, 動原体を含む逆位によって生じたと推定された.以上の類似性は, シュモクザメ類と
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科魚類の強い近縁性を示唆しており, シュモクザメ類を
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科に含める分類体系を支持している.
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