目的:下呂市はまちぐるみで取組んだ減塩活動に対して,2019年の厚生労働省スマートライフプロジェクトの「健康寿命を伸ばそう! アワード」を受賞した.本報は,その特徴と今後の方向性の報告を目的とした.
内容:下呂市は,かつては岐阜県でもトップクラスの高血圧と脳血管疾患の受療率が高いまちであったが,2017年を境に改善傾向が継続している.こうした結果に結びついたのは,特定健診・保健指導による住民へのハイリスクアプローチだけではなく,官民一体となった減塩推進委員会の設置とそれぞれの分野での減塩啓発活動,そして減塩食品の普及拡大による食環境整備が大きく貢献している.
まとめと今後の課題:かつて行政だけの一方的な取組みでは成果に結びつかなかったが,官民一体の多職種が連携した減塩推進活動により成果につながった.しかしこの取組みは始まったばかりで,子どもたちに健康な未来を残すために,今後も引き続き減塩推進活動を展開して,健康寿命が延伸する食環境の実現に努めてゆく.
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