レタス (
Lactuca sativa L. cv. Wayahead) はい軸組織は2,4-DとKINを含む初期培地で培養したのち,KIN単独の移植培地に移すと不定芽を形成した(9). この不定芽は初期培地における2,4-DとKINにより誘導されるものと思われる(10). 本研究では初期培地に与えた数種類のオーキシン, サイトカイニン及びそれらの
リボシド
類の不定芽誘導効果を比較検討し, 以下に示す結果を得た.
1. 不定芽形成に対する初期培地のオーキシンは0.05~0. 1mg/l濃度の2,4-Dが最も効果的であり, IAA, IBA及びNAAでは0.05~10.0mg/lの広い濃度範囲にわたり2,4-Dでみられたような不定芽形成の促進効果は得られなかった.
2. 不定芽誘導に対するサイトカイニンの効果は0.01mg/lの低濃度で比較するとZIN>2iP>BA>KINの順に効果的であり, 0.1mg/l濃度ではZIN>BA>2iP> KINの順であった. しかし, 明所では0.1mg/1濃度の全区で100%の不定芽形成率を示した.
3. 不定芽誘導に対するサイトカイニン
リボシド
についてみると0.01mg/l濃度ではZRを除いて効果はみられなかった. また, 0.1mg/l濃度ではBAR=ZR> 2iPR>KRの順に不定芽の形成が認められた. KRは不定芽の誘導に対しほとんど効果がみられなかった.
4. これらの実験を通し, 明所は暗所に比し不定芽形成を促進する傾向が示された. しかし, サイトカイニン
リボシド
の2iPR及びKR区ではこのような光による不定芽形成の促進は少なかった.
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