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1件中 1-1の結果を表示しています
  • 柴田 崇
    生態心理学研究
    2004年 1 巻 1 号 25-32
    発行日: 2004/02/14
    公開日: 2021/12/01
    ジャーナル フリー

     道具を使うとき,わたしたちは,自分の手が対象に触れるのと同じように,直接,離れたところにある対象に道具が触れるのを感じると考えている.こうした現象に関する記述は、視覚障害者が用いる白杖や,内科医の使う探り針probeなどの事例をもとに枚挙にいとまがない.使用に供されているとき,道具はあたかも手の延長として捉えられ,それ自体は“透明”であるかのように考えられているのである.これに対し,D・カッツは,その使用時にも道具が決して“透明"にならないことを,触覚現象の考察を基に主張する.カッツによれば,道具は,使用に供されているとき,手と対象の間に介在し,行為者に,対象の情報だけでなく道具に固有の属性をも伝達する.それは,道具を含む媒介物mediumが,行為主体や対象と同じ資格で実在することを出発点にして初めて可能になった.その意味で,対象(物質),面,とともに,媒質の実在を前提に議論を展開したJ・J・ギブソンの生態学的アプローチの嚆矢になったと考えられる.以上の論点を,両者の媒体論の比較を通じて証明する.

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