山村の疲弊度は年々高まっている.その根本的な要因は,山村の基幹産業である林業が産業としてほとんど成り立っておらず,また林業収入の間隙を埋めてきた山間地域農業も大規模化を志向する農業政策の中で見捨てられているからである.その結果,山村では人口の高齢化が著しくなっており,本来の地域特性を発揮している山村はほとんど存在しない.こうした状況に追い打ちをかけるように地方の消滅可能性が公表され,産業が成立せず疲弊度を高めている地域は確実に拡大している.このような状況を目の当たりにしながら地理学は何ができるのであろうか.今回の地域大会をふまえて考えてみた.
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