各種ペットが気管支喘息に悪影響を与えることは, 周知のごとくである. しかし, 著者らの調査では喘息児家庭のペット保有率は37.1%を占めていた. そこで, ペットアレルギーを有する気管支喘息児で, ペット除去による臨床症状とアレルギー検査値の変動について検討した.
対象は猫アレルギー11名 (以下猫群), 犬アレルギー9名 (以下犬群) で, 臨床改善の判定は喘息発作点数を用い, 検査はIgE, RAST値を測定した.
結果は改善群が猫群のみ2/11例 (18.2%), 軽度改善群は猫群2/11例 (18.2%), 犬群2/9例 (22.8%) であった.
RAST値は, 改善群で2/2例 (100%), 軽度改善群2/4例 (50%), 症状不変群5/14例 (35.7%)に低下がみられた. IgEはペット除去および症状の変化にかかわらず一定の傾向は見られなかった.
気管支喘息でのペットアレルギーの診断は詳細な病歴, RAST等の検査により可能であるが, その治療としてペット除去効果はその抗原感作の程度により異るが, ペットが主抗原であるときは極めて有効な場合があり, 環境指導上重要な点と考える.
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