目的:胃がん検診の有意性を検証するため,検診受診者群と検診未受診者群の死亡率およびその予後について比較調査した.
方法:2005~2009年までの5年間,藤枝市において毎年1月1日から12月31日まで,胃がんで死亡した者を死亡診断書より抽出し,年齢,性,罹病期間,検診受診の有無等を調査した.対象者は延べ186,965人,受診者は50,301人.未受診者136,664人である.
結果:2005~2009年まで,胃がん死亡者は214人,男性は131名,女性83名であった.年平均42.8人で死亡率は0.11%であった.2008年の男女別死亡率は,男性0.15%,女性0.06%で男性の死亡率が高い(
P<0.05).年代別には40,50歳代に比し,60,70歳代の死亡率が有意に高かった(
P<0.05).検診未受診者群の胃がん死亡者は,年代により違い71~88%,平均82%であった.検診受診者群では1年以内に死亡する者が29%に対し,未受診者群では40%に及び受診者群の1年以内の死亡率が低かった(
P<0.05).
結論:胃がん死は検診未受診者で82%であった.検診受診者群では18%であった.検診受診者群は未受診者群に比し死亡率が低かった(
P<0.05).検診受診者群では1年以内の死亡率が低かった(
P<0.05).
抄録全体を表示