本研究では、小学校における総合的学習や情報教育の取り組みに向けての動向の把握を目的におき、カリキュラム等の研究開発に先進的に取り組む全国の小学校42校を対象として、学校システムの見地から筆者らの視点で評価を試みた。全国的な動向把握を目的とするため、各小学校の研究紀要や出版物をデータとし、幅広く対象にあたることにした。具体的な評価項目は、まずそれらの研究物を検討し、学校が改革を進めていく際に必要と思われる6つの要素(研究体制・研究歴、情報教育、文教施設、教授組織、学習形態、カリキュラム)を帰納的に抽出した。各学校ごとにそれらの要素について、5段階評価を試みた結果、そこから典型的な学校のタイプを5つに分類することができた。また、各タイプの総合的学習や情報教育の一事例を検討し、それらの実践の傾向を示唆した。
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