本研究は, 保育者の自然災害発災に対して抱く不安の様相を視覚的に表すことを目指した. 保育者829名にアンケート調査を実施し, 災害発生を想定した場合に保育者として不安に思うことを尋ねた. 共起ネットワーク分析の結果, 5つのサブグラフからなる「災害時の安全な避難誘導」についてのネットワークが形成された. ネットワークを構成する各語の出現回数が多いことから, 保育者は「災害時の安全な避難誘導」に大きな不安を抱いていることが示唆された. また, 「職員」と「連携」の共起が示され, 保育者は災害時の連携先として主に職員を想定している一方で, 連携先として地域はほとんど見られなかった. 施設における防災の主な担い手は保育者自身であると認識していることから, 保育者の災害時における心理的負担は大きいことが示唆された.
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