本論文は,新聞報道,特に写真によって構成された大阪府知事選挙が,どのような意味を全国の読者ならびに大阪の読者に影響を与えたかを明らかにする。政治報道がマス•メディアの現実構成力に大きく依存することは,政治参加を銘打つ選挙•投票行動においても同様である。また,画像情報は,文字情報と相俟って受け手の政治認知に多大な影響を与えるともいわれている。
こうした問題意識•状況に鑑み,以下の点を検証することを目的とした。
1.「構成された」選挙報道は,中央と地方でそれぞれ差異が生じている。
2.今回の知事選挙においては,報道写真のなかに,「ジェンダー」としての性格を端的に描きだしている。
選挙報道の内容分析の結果,節目の報道において「ジェンダー」的差異や中央•地方の報道の色彩の差異が明らかになった。
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