都市鉄道において、新規路線の開通、鉄道駅新設、ターミナル駅の大規模開発などの都市交通環境に変化が生じる。本研究では、京阪神都市圏を対象として、都市鉄道サービスの経年的変化が与える旅客流動変化に関する基礎的な分析を行う。具体的には、京阪神鉄道ネットワークの路線延長・鉄道駅の経年的変化を整理する。つぎに、京阪神の主要駅を起点とする鉄道駅起終点間の経路所要時間変化、経路所要費用変化、利用可能経路数変化を分析する。このとき、鉄道ネットワーク解析のため経路検索ソフトを援用した算定プログラムを構築する。また、鉄道ネットワークと鉄道需要との関係性を把握するため、代表的な鉄道駅の乗降客数の変化を鉄道サービス変化と周辺地域環境に基づいた経年的分析を行う。これらの分析から広域的な鉄道旅客流動変化の傾向を定量的に把握する。
抄録全体を表示