平成29年3月31日に文部科学省では中学校学習指導要領の改訂を行った.この中学校学習指導要領は,平成33年度から全面実施することとなっているが,平成30年度から一部移行措置として先行実施することとしている.特に中学校理科においては平成20年度改訂の現行の学習指導要領と比較すると,いわゆる「ゆとり教育」からの脱却を目指した大幅な変更が行われた現行の改訂時とは異なり,現行版を引き継ぎながら改訂が加えられている.その変更が加えられた学習項目に第3学年第1分野の「化学変化とイオン」が挙げられる.特に「化学変化と電池」では,従来のボルタ電池型ではなく,ダニエル電池型を実験として取り上げることが明記された.この研究では,この新たに中学校理科の実験で取り上げられることになったダニエル電池を中学校でどのように取り扱うべきかを考案し,実際の中学校で授業を行ったのでその詳細を紹介する.
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