63歳,男性。左前腕に常色の皮膚腫瘍を自覚し,徐々に黒色に変化してきた。自覚から7ヵ月後に当科受診となった。左前腕に散在性の黒色斑を伴う,軽度隆起した25×20 mm大の紅色病変を認めた。初回手術時は2mmマージンで切除し,毛母腫の病理診断となった。初回手術から1年5ヵ月後,同部位に13×8mmの黒色隆起斑を生じたため当科再診となった。1mmマージンで切除したところ病理組織検査で悪性毛母腫の診断となった。20mmマージンで筋体の一部を含め追加切除し,人工真皮を貼付した。断端陰性を確認後,全層植皮による再建を施行した。最終手術から3年経過しているが,再発は認めていない。
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