新しいcephalosporin系抗生物質, Ceftazidime (CAZ, SN401) の中枢神経系に対する一般薬理作用を検討し, 以下の結果を得た。
1. Ceftazidimeはラット. ウサギの一般症状に殆んど影響を及ぼさず, 自発運動量, 懸垂試験, 回転棒試験などの行動分析の面においても, 何ら影響を示さなかった。
2. Ceftazidimeは睡眠延長作用, 抗けいれん作用および鎮痛作用を示さなかった。
3. Ceftazidimeを静脈内投与すると500mg/kg以上においてウサギ自発脳波の覚醒化傾向を示した。一方, 溶解剤として用いたNa
2CO
3溶液の静脈内投与においてもCeftazidimeと同様に自発脳波の覚醒傾向がみられた。
また, Ceftazidimeは正常体温に何ら影響を及ぼさなかった。
以上のように, Ceftazidimeは殆んど作用を示さず, また, 自発脳波の覚醒化傾向がみられた用量も臨床常用量に比し, 極めて大量であることなどから, Ceftazidimeは殆んど中枢作用を示さないと考えられる。
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