近年,我が国では人口減少が大きな問題となっており,人口集中が進行している東京都市圏も例外ではない.人口減少による問題の一つとして鉄道の乗降客数減少が挙げられる.乗降客数が減少すると鉄道事業者によるサービスの維持が困難になり,さらに深刻化すると,周辺地域の衰退も起こりうる.そこで本研究では,乗降客数と土地利用の関係を明らかにしたうえで,将来の乗降客数に対して有効な土地利用について検討する.3 時点のデータでパネルデータ分析をした結果,駅勢圏内の空地を工場や低層建物に変化させることで,乗降客数の減少に一定程度歯止めを掛けることができると分かった.しかし,全ての空地を変化させても乗降客数の減少に歯止めのかからない駅もあり,コンパクトシティや都市の集約及び縮退を考慮する必要がある.
抄録全体を表示