先報告では, 米飯の硬さの相違は熱産生, 熱放散や呼吸比に見られ, 普通の硬さに炊いた米飯を充分に咀嚼して嚥下することが最も望ましいことが示唆された.
本論文では食物の硬さの相違は脳総動脈血流量にどのように応答するのか, このパラメーターから, 咀嚼し嚥下することの効果を追求した.
本実験に用いた同一素材による硬さの相違が1: 3程度であった検査食を充分に咀嚼して嚥下することは脳総動脈血量や血流速を高めることを見出した. また, 鼓膜温度から求めた体熱産生は硬い米飯の方を咀嚼して嚥下するとにより, 高いレベルを維持して脳総動脈血量を増加させることも示唆された.
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