環境指標としての生物季節前線を作成した。まず生物季節前線が関連する先行研究を整理し,本研究の位置づけを行った。気象庁が観測している生物季節対象種の中から,比較可能な動物3種,植物3種を選定して観測時期の異なる生物季節前線を作成した。生物季節前線が局所的な影響を受けること,生物の生活史戦略の違いが同じ環境変化であっても異なった挙動を示すことから,生物季節前線は複雑な変化を示すものの,適切な空間スケールで比較することで環境指標としての役割を果たすことができる可能性があることを示した。
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