我々は中学校数学における課題学習の中にコンピュータを導入することによって,生徒の主体的な学習活動が可能になると考え研究に取り組んでいる。特に教育用言語として高い評価を受けているLOGOを単なる「お絵描きソフト」に止まらせずに,そこから広がる数学の世界(タートル幾何学)を生徒に紹介することにより,探求的な数学の学習活動につなげられると考えている。本稿は,LOGOの拡張コマンドとして準備された「むすべ」等を使って「円周上の点を結んでできる図形」に関する課題を解決していく課程の中で, コンピュータがどのような役割を果たしたかについての事例研究である。その結果,コンピュータが生徒の考える活動を助け,探求的な学習活動を支援していることが示された。
抄録全体を表示