詳細検索結果
以下の条件での結果を表示する: 検索条件を変更
クエリ検索: "佐倉市立南志津小学校"
1件中 1-1の結果を表示しています
  • 米飯とみそ汁の学習を中心にして
    *児玉 喜久子, 石井 克枝
    日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
    2010年 53 巻 A1-6
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/13
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
     学校における食育が行われ,給食指導や総合的な学習の時間,学級活動,教科学習などでも取り組まれるようになったきた。それぞれの取り組みが連携していくことで充実した食育プログラムになると考えられる。本研究においては,種々の活動の連携を図り,食育における家庭科の位置を明確にした食育プログラムを開発することを目的とした。食材の成り立ちから調理法までの食育プログラムにより,食材を活かした調理技能が習得でき,児童の食意識の向上につながることを検証する。
    【方法】
     千葉県立公立小学校5年生の児童64名を対象に,2009年10月から12月にかけて,家庭科学習「米飯とみそ汁」10時間の学習を中心にして,他教科等においても,食のワークショップや食の成り立ちを知る体験学習を実施した。事前と事後で質問紙にて調査し,それらを分析の資料とした。
    【結果】
    1.食材を学ぶ学習
     食材の価値を実感させることで,おいしくいただくための調理に着目させられると考えた。みそ汁の実を選ぶために野菜の畑見学を行い,生産者から話を聞き,畑の野菜の様子を観察した。煮干しについては,九十九里の煮干し加工場のビデオ教材を作成し,授業で活用した。さらに総合的な学習の時間における米作り,理科における大豆の成長の観察,学級活動でのみそ造りを関連させた。その結果,児童の食材への関心を高めることができ,食材をおいしく調理したいという意欲につなげることができた。
    2.科学的な視点を持たせた調理学習
     米やみそ汁は調理によって味が変わることをワークショップなどにより実感させ,「ご飯とみそ汁」の調理の課題を明確にした。教師の示範を提示し,加熱中の温度変化と米の変化を示すことにより,児童は視点をもった調理を行った。また、この調理を二人一組で行ったため児童の調理技能の習得を確実なものにすることができた。
    3.家庭での実践につなぐ
     家庭での実践につなげるために保護者へ働きかけを行った。すなわち,親子食育教室で保護者にもみそ造りを児童と一緒に体験してもらったり,家庭科便りで学校での学習の様子を知らせたりした。また,地域への発信として,PTAのバザーでは児童がつくった米やみそをおにぎりとみそ汁にして提供した。家庭実践は3パターンを提示し、家庭の事情に合わせて選択できるようにした。児童のつくった食材と地域の食材をセットにし、食材の価値を家庭で話題にできるように仕組んだ。その結果,児童は家庭でも意欲的に取り組み、食材の価値について家族と話し合い、保護者からも食材の価値や児童の技能習得に関する感想が寄せられた。
    4.家庭科を中核とする食育プログラムの有効性
     家庭科の題材である「ご飯とみそ汁」の学習を中核にして,食材の学びが多角的になるように他教科などと関連づけたため食べもの価値を実感し、調理に意欲的になった。また,視点を明確にした調理学習により調理技能の習得を確実にし、家庭実践へとつなぐことができた。食材の価値を家庭で話題にできるように仕組んだことにより、保護者の食意識の変容もみられた。
feedback
Top