インシデント事例の内容を適切に分析して、対策を実施しその結果として再発を防止することは医療安全対策の要である。これまでの飯塚病院の分析手法は、複雑で多くの時間を要し現場に浸透できなかったため、重点思考およびPDCAの考え方を組み込んだ簡便に行えるAIH-RCAシートを作成した。2012年1月よりこれらを用いて現場の安全推進者へ教育を行い、原則勤務時間内で個別の実践演習を56部署中47部署81回実施した。是正件数は、2011年45件、2012年46件、2013年81件と倍増させることができた。PDCAを組み込んだAIH-RCAシートは、現場で行えるインシデントの改善活動の活性化および現場の安全教育に有用であったと考えられる。
抄録全体を表示