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クエリ検索: "全国中学校軟式野球大会"
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  • ~高校野球と中学野球の傾向を踏まえて~
    遠藤 康裕, 宇賀 大祐, 阿部 洋太, 高橋 和宏, 中澤 理恵, 坂本 雅昭
    理学療法学Supplement
    2013年 2012 巻 C-P-26
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/20
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに、目的】群馬県では,高校野球選手のスポーツ障害予防を目的に,群馬県高等学校野球連盟(高野連)からの依頼により,2002年の第84回全国高等学校野球選手権群馬県大会(以下:夏季大会)から,理学療法士(以下:PT)によるメディカルサポートが開始となった.さらに,2006年から秋季関東地区高等学校野球大会群馬県予選(以下:秋季大会),2007年から春季関東地区高等学校野球大会群馬県予選(以下:春季大会)においてもメディカルサポートを開始した.これまで数回にわたり,本学会においてその結果を報告させていただいている.さらに本年度は
    全国中学校軟式野球大会
    (以下:全中大会)においても同様のサポートを実施した.今回,2002年からこれまでの11年間の高校野球メディカルサポートおよび全中大会メディカルサポートにおけるPTによるサポートについて,各世代の傾向をふまえ報告する.【方法】対象は2002~2012年度までに開催された群馬県高校野球夏季大会11大会,春季大会6大会,秋季大会7大会の計24大会(以下:高校野球)と全中大会1大会(以下:中学野球)とした.配置PT数は,夏季大会の4回戦以前,春季・秋季大会・全中大会が1会場2人,夏季大会の4回戦以降は1会場6人以上とした.対応は,事前に県高野連および中学校体育連盟(中体連)と協議した内容に従い,障害予防やアクシデントに対する応急処置やリコンディショニングと,夏季大会4回戦以前の希望チームと4回戦以降の全チーム,秋季・春季大会・全中大会の希望チームに対して試合後の投手のクーリングダウンを行った.また,夏季大会4回戦以降の全チームに対して野手の集団クーリングダウンを行なった.【倫理的配慮、説明と同意】サポート実施にあたり,選手および指導者に対しサポート内容の趣旨を十分に説明した.今回の報告にあたっては個人情報の保護,倫理的配慮に十分注意し集計を行った.【結果】高校野球メディカルサポート参加PT数は,2002年には述べ64名であり,対象試合の増加とともにPT数も徐々に増加している.最も多かったのは2011年で述べ106名であった.選手に対する応急処置等の対応件数は,高校野球で述べ508件(一試合平均0.85件),全中大会で述べ17件(一試合平均0.71件)であった.高校野球では部位として下腿(78件),大腿部(59件),障害内容としては筋痙攣(124件),打撲(51件)が多く,その9割以上が夏季大会での対応であった.対応内容はストレッチング(147件),テーピング(138件)が多かった.中学野球では,前腕(2件),肩関節(2件),足関節(2件)が多く,対応内容としては試合後のコンディショニング指導(6件),ストレッチング(4件),テーピング(4件)が多かった.投手クーリングダウンを行った投手は,高校野球延べ711名(一試合平均1.18件,実数411名),中学野球延べ61名(一試合平均2.54件,実数38名)であった.高校野球の年度別でみると,サポート拡大から3年後の2008年度より大幅に実施者数が増大した.肩関節や肘関節に他動運動時痛を有する投手は,高校野球では実数で137名(33.3%)おり,2012年度年間平均では45.2%となっていた.中学野球では9名(34.2%)であった.【考察】高校野球に対するサポートでは,応急処置として,大腿・下腿部,特に筋痙攣への対応が多く,夏季大会でその傾向が顕著であった.夏季大会における気候および連戦による全身的,局所的な筋疲労が影響している可能性が考えられる.対応内容として,テーピング,ストレッチングが多かったのも,その多くが大腿部,下腿部の筋痙攣に対応したことが要因であった.投手クーリングダウンでは,各年度の有痛者率をみると減少しているとはいえず,まだまだ障害予防の取り組みが不十分であると考えられる. 中学野球においては,試合後のコンディショニング指導希望が多く,また,投手クーリングダウンも一試合平均2.5人と非常に多くの要請を頂いた.この年代ではまだコンディショニングやクーリングダウンについての知識が不十分であり,PTへの需要が高くなったと考えられた.今後はクーリングダウンの重要性や適切な方法の指導など,大会期間以外での障害予防の啓発活動が重要になると考える.より適切かつ十分なサポートを提供できるよう,参加PTの育成やマンパワーの確保も重要な課題である.【理学療法学研究としての意義】過去11年間のメディカルサポート結果を集計した今回の報告は,課題の見直し,今後の取り組みへの指針として有用であると考える.また,中学生年代からのサポートの重要性が示唆されたことも重要な点である.
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