著者らは,アルミニウム溶湯搬送用途への適用を想定し,容器内壁部がセラミックス中空ユニットで構成された球状容器の開発に着手した。新規に設計されたこの容器は,従来の容器内壁部がキャスタブルで構成された円筒状容器に比べ,飛躍的な軽量化と高い保温性が期待される。本報告では,熱流体解析に基づいて,側壁に円形の開口部を設けた五角中空ユニットを設計した。けい素粉末スラリーを用いた鋳込み製法,成形体の生加工,および窒素雰囲気における反応焼結法により,このように設計されたRBSN (Reaction-bonded Silicon Nitride) からなる五角中空ユニットを作製した。ユニットの熱通過率の評価を行なった結果,側壁に円形の開口部を形成することにより,ユニットの放熱量および重量が低減することが明らかとなった。
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