ファッションデザイン画とは、被服製作に原点を見い出すことができ、被服製作に関連した目的で描かれる絵である。本論文では学生になじみがあり取り組みやすい漫画をファッションデザイン画教育に取り込み活用することを試みた。まず第一に、ファッションデザイン画と漫画の表現の共通点と相違点について考察した。第二に、これらの中で良い点はそのまま取り込み、不都合な点は取り込む際の修正の方法を考察した。第三に、不都合な点の考察を元に仮説を立て、イメージ評価実験を行い修正の方法の検証を行った。その結果、目、顔幅、プロポーション、被服の構造線の描き方がファッションデザイン画らしさと漫画らしさを分ける重要な要素であることが明らかになった。以上の要素は、ファッションデザイン画教育において、学生に描く前に注意するポイントであり、また学生が描いた作品を教師が添削指導する際の重要ポイントであることが明らかになった。
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