本論考は,日本学術会議の経済教育に関する「参照基準」と本学会の声明に関して,高等学校の現場からの見解とそれを生かすための提言を述べたものである。
「参照基準」は高等学校現場にはほとんど影響を及ぼしていないこと,内容に関して筆者としては賛成だが問題点も感じていることを指摘した。提言を生かすには,「参照基準」に賛成でも反対でも,高等学校の経済教育を規定している学習指導要領,大学入試などの制約条件をしっかり見据え現状を変える努力をすること,各学派の見解を踏まえた教科書作りを考えるべきことを述べている。
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